事例紹介

横須賀市 後藤様

1992年、私は長年勤務していた大学(横浜国立大学)から足利工業大学に移った。ところが実験設備や研究施設が殆ど無かったので、新たな研究テーマを考えることにした。その1つが太陽エネルギー利用による冷暖房の問題であったが、具体的には太陽光発電の年間データを取るに止まった。試験パネル (モジュール) は50wから始まって1kwに及んだが、太陽電池及び試験装置は随分高価なものについた。93~96年当時、太陽光発電システムは容量 1 kwあたり概算で100 万円以上かかる勘定になり、これを電力料金で取り返すには昼夜均一料金(従量電灯)だと50年近くかかるものであった。
さて、昨年7月に (株) スカイテック横須賀支店のショールームを拝見したのがきっかけで、9月に約3kwの太陽光発電システムを設置した。その折に1 kwあたり10万円の補助金があり、しかも仮にローンを組んだとしても電気代の節約分により15年位で返却できる話を聞き、びっくりしたものだ。半信半疑でいたが、現在の夜間料金制度や節電意識の高揚により、それが現実の話であることが分かった。
92年はいわゆる地球サミットの年で、それ以来地球環境問題を人類共通の課題として、国際的な取組みが始まった。昨年はその 10周年にあたり、持続可能な開発に関する環境開発サミットがヨハネスブルグで開かれた。我が国では6月に京都議定書の批准承認と地球温暖化対策推進法の改正が行われた。そしてこの2、3年急激に風力発電や太陽光発電が普及し始めたこと、さらに水素エネルギーの活用、中でも燃料電池の実用化も目前になってきたことは大変喜ばしい事である。
2040年頃までにエネルギーの大転換と大幅なco2削減が実現されないと、今世紀末には大気中のco2濃度が550ppmを超えてしまい、生態系への影響が懸念される。それはこれから生まれる子孫の世代の問題である。先ずは太陽光発電のさらなる普及が望まれる。

平成14年9月12日設置